束線香に着火するため、ガスバーナーの強力な炎を使って着火してわかったことは、
束線香は、周囲から中心に向けて燃えて行くということだ。
中心に束ねられている線香には空気が流れこまないからだ。
束の周囲から燃えて行くので、全部の線香に火がついた時には、線香の束は円錐形になっている。
ならば前もって線香の束を円錐形にしておけば、中心の数本に着火するだけで、線香の束の全部に引火するのではないだろうか?

束線香の先端を円錐形にして着火する
上の写真のように、束の中心から周囲にかけて線香を円錐形に束ねる。線香を輪ゴムで止めて、後ろからポールペンなどで押せば簡単に円錐形を作れる。円錐形といってもそんなに完全な円錐形である必要はない。
中心の線香の先端3ミリくらいが突出し、側面が空気に触れやすい状態を作ればよい。

束線香を輪ゴムでめ、中心部の線香をポールペンで後ろから押して円錐形を作る
写真では、輪ゴムは使っていないが、紙の帯よりも輪ゴムで束ねたほうが結束力が強まり、線香がばらけなくてより引火しやすくなる。
束線香の先端を円錐形にして先端に着火
先端を円錐形にした線香は、中心にある線香1本に着火すればよいので、ガスバーナーは必要ないが、風の強い野外などでは、ガスバーナー、もしくはターボライターがあった方がよい。
上の動画ではガスバーナーを使っているので、線香3本ほどに着火している。
一本でも結果には大きな違いはないはずである。
円錐形の線香をあらかじめ立てておく場合、線香を一本だけ別に着火して、後から束の中心に火がついた線香を着火してもいい。
立てた線香にはマッチでは火が付けづらいが、線香1本だけなら水平にして、下からマッチの火で炙って着火すればよいだけである。
円錐形束線香の燃焼過程
通常の円筒形束線香の燃焼過程をみると、束線香全体に着火するまでに、13分を要している。
円錐形束線香の場合はどうかというと、その円筒形の半分の7分で全体に着火できている。

点火から7分後の円錐形束線香
円筒形束線香の場合7分後には以下のような状態だった。

円筒形束線香、点火から7分後
点火から7分後の燃焼状態をみると、中心部の線香は燃焼していないが、周縁部の線香は3センチほど燃焼している。かなり燃焼状態にばらつきがあることがわかる。
円筒形束線香と円錐形束線香を比較すると、明らかに円錐形の束線香が燃焼状態にムラがない。
では15分後はどうだろう。

点火から15分後の円筒形束線香

点火から15分後の円錐形束線香
点火から15分後には円筒形、円錐形、どちらの束線香にも燃え残りは見られず、全てが燃焼しているが、やはり、円錐形束線香の方が綺麗に燃焼している。
点火の段階で長さが均等だった分、逆に燃え方にばらつきが出たのが、円筒形束線香。
点火の段階では長さが不均等だったが、燃焼により長さがそろったのが、円錐形束線香。
束の中心が凹状に削られた線香も販売されているらしいが、今回の検証はその逆、つまり凸状にして燃焼実験を行ったわけだが、それが意外とうまくいった。
問題点としては、線香を凸状にしておくと折れやすくなってしまうという点だ。
ただ、墓参などに線香を持参する際には通常の束線香を持って行って、その場で円錐形というか、凸状に先端部を整えればいいだけなのだが、線香スタンドにうまくフィットするかという問題もある。
つまり、先端を凸状にした束線香の根元は空洞になっていて折れやすいので、線香スタンドに束を挿そうとして線香を折ってしまう恐れがある。

先端を凸状にした束線香の根元は凹状になっている
写真のように、束の内部が空洞になっていて強く押すと折れてしまうことがある。
線香スタンドに立てるときには注意が必要。線香スタンドと束の太さが一致するとは限らないが、束が細すぎると線香は倒れてしまう。
少なめに線香を立てて、中心部に線香を挿すことでスタンドと束線香をフィットさせるのがいいだろう。
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