スマホアプリから自宅のパソコンにリモートデスクトップ接続した場合、以前はホストパソコン、つまり自宅のパソコンのオーディオ再生に対応していないことがあった。しかし現在は、Chromeリモートデスクトップアプリの場合、Android版は2017年に、iOS版は2018年にオーディオ再生に対応した。
ただし、オーディオ再生に対応しているのは、ホストコンピュータがWindows またはLinuxに限られている。Macの場合オーディオ再生には対応していないのだ。
SplashtopやLogMeInなどの有料アプリだとMacのオーディオ再生に対応している。Splashtopは同一ネットワーク内なら無料で使用できるが、外出先など外部ネットワークから接続するためには、有料版の購入が必要となる。
LogMeInは2週間の試用期間に限り、無料で使用できる。
SplashtopやLogMeInに共通しているのは、インストール時にサウンドデバイスがインストールされることだ。SplashtopはSoundflowerというMacの仮想サウンドデバイスとしてとても有名なデバイスを使用している。LogMeInは独自のサウンドデバイスを使っている。
LogMeInのサウンドデバイスはほかのアプリケーションでは使用できないが、Splashtopのインストール時に同時にインストールされるSoundflowerはSkypeアプリやLadioCast などサウンドルーティングアプリケーションと併用するとMacのChromeリモートデスクトップでスマホへオーディオ転送が可能になる。
もくじ
MacのChromeリモートデスクトップ でSkypeを音声転送に使う
MacのChromeリモートデスクトップからスマホアプリのChromeリモートデスクトップへ音声転送する手順だが、
1. Skypeのインストール
MacとスマホにそれぞれSkypeをインストールして、Macとスマホでは別のSkypeアカウントでログインしておく。
2. Soundflowerのインストール
直接インストールしてもよいが、Splashtopをインストールすることでも自動でSoundflowerはインストールされるのでこちらの方が楽だ。それにSplashtopは同一ネットワーク内なら無料で使えるのでインストールして使ってみるのも良い。Soundflower はSplashtopのストリーマーに同梱されている。
もちろんSoundflower 単体でインストールもOK。
3. LadioCastのインストール
LadioCastはMacの中の音の流れをコントロールするアプリだ。このアプリによって自由に入出力デバイスをルーティングすることができる。
こちらはApple App Store よりダウンロード。
以上3点で準備完了。
MacのChromeリモートデスクトップでオーディオ転送するための設定
1. Macの音声入出力の設定
システム環境設定画面が開いたらサウンドをクリックして開く
出力にはSoundflower(2ch)、入力には、Soundflower (64ch)を割り当てる。
これで第一段階終了。
2. LadioCastの設定
つぎは、LadioCastの設定だ。
パソコンから出力される音、つまり、Soundflower(2ch)がSoundflower (64ch)から出力されるようにLadioCastで設定する。
入力1にはSoundflower(2ch)、出力メインにはSoundflower(64ch)をそれぞれ割り当て、入力1ボックスのメインボタンを押しておく。そしてある程度ボリュームスライダーを上げておく。
ここまでできれば後は、Skypeの設定だけだ。
3. Skypeの設定
通常Skypeではマイクから入力された音声が相手側に流れるが、パソコンから出力された音声がマイクに流れるように設定する。通常のSkypeの設定では以下のように設定されている。
マイクとスピーカーが既定のデバイスとなっていれば、変える必要はない。先にシステム環境設定で設定したデバイスが割り当てられているからだ。これでMacの音をChromeリモートデスクトップで聞く準備が完了。
スマホのChromeリモートデスクトップから自宅のMacにアクセスして、Skypeを立ち上げ、スマホのSkypeに通話する。スマホのSkypeで応答すればMacから出力されている音声がスマホから聞こえてくる。
この時スマホのSkypeのマイクをミュートにするのを忘れないように注意。
MacのChromeリモートデスクトップでオーディオ再生するときの注意
Skypeを利用すればMacにスマホでChromeリモートデスクトップ接続すればオーディオ再生を聞くことができるようになる。自宅パソコンがMacの場合はとても便利な方法だ。
ただし、Chromeリモートデスクトップにカーテンモードが設定されている場合は、オーディオ再生は無効になるので注意。
カーテンモードを設定している場合は、カーテンモードの設定を解除しておく必要がある。
もちろんカーテンモードを設定してない場合はその必要はない。
カーテンモードが設定されているか否かは、システム環境設定のディスプレイの項目を開いてみるとわかる。
上の画像のように輝度調整スライダーが表示されていないときはMacのChromeリモートデスクトップのカーテンモードが設定されているので、SkypeやLadioCast を使ってもオーディオは再生も転送されないので注意。
輝度調整スライダーを、一番左にするとMacの画面は真っ暗になるのだが、Chromeリモートデスクトップ接続をしているスマホの画面には影響はない。カーテンモードを使用しないときに、画面を簡易的にブラックアウトできる。ホストパソコンのキーボード操作で輝度をあげれば画面は見えてしまうのだが。
Macでリモートデスクトップ接続を行う場合、画面やキーボードをロックし、なおかつ音声転送を行うことは無料ソフトでは困難である。
先に紹介したSplashtopやLogMeInにはその機能があるのだが、個人利用に限り無料で使えるTeamViewerもMacの音声転送、リモート操作中画面ロックやキーボード操作無効化の機能はない。
TeamViewerの音声会議機能を使って音声転送もできそうに思えるが、実際にはリモートアクセスすると、音声設定画面のところがグレーアウトしてリモートアクセス側からは操作できない。
ホストコンピュータ側から見ると以下のようになってマイクがミュートされている。
Chromeリモートデスクトップを使ってTeamViewer のマイクミュートを解除することはできない。
TeamViewerでリモートデスクトップ接続中にChrome リモートデスクトップ接続をすると、TeamViewer が閉じてしまうからだ。
別のリモートデスクトップ接続ソフト、例えばAnyDeskでアクセスすればミュートは解除できたりはする。
ホストコンピュータがWindows7やWindows10のホームエディションの場合、Chromeリモートデスクトップのカーテンモードが使えない。
その場合TeamViewerはWindowsがホストPCならリモート入力の無効化、リモートスクリーンの無効化が出来る上に、音声転送も出来て非常に便利なソフトなのだが、ホストパソコンがMacだとそうはいかないようだ。
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