線香の束にマッチ一本で着火。これができればすごい。でも難しい。この問題を解決した線香がある。株式会社新香の「光年」である。線香の束の中心に蝋燭の芯が挿してあり、下向きでそこに火を着けると全体に着火するという仕組みだ。
「こうねん」という「光年」をひらがなで書いた名前の線香も販売されているが、「こうねん」は人束ごとにビニールに入っているので、湿気に強いと言える。
一方で「光年」は化粧箱に入っているので鞄に入れても折れにくい。
「光年」と「こうねん」は同じ会社の製品らしい。株式会社新香という会社だが、「光年」しか入手していないので相違点はパッケージだけなのかは現時点ではわからない。
もくじ
発明協会奨励賞受賞の線香「光年」
「光年」のパッケージの裏面をみると、発明協会奨励賞受賞と印字されている。
発明協会奨励賞でPAT813729と印字されている。
ネットで検索してみたが、この番号ではヒットしなかった。
しかし、「特許情報プラットフォーム」というサイトで検索するとヒットした。キーワードは「線香」だと1467件ヒットする。以下に特許情報プラットフォームのアドレスを載せておく。
「線香」だけだとヒット数が多すぎるので、
「株式会社新香」で検索をかけると2件ヒットした。
それぞれクリックしてみると、二つも同じ商品である。
【公開番号】特開2009-35487(P2009-35487A)のほうを読んでみると、線香や火力を増大させるための蝋燭の芯があっても、肝心の着火源であるマッチを忘れてしまうと火がつかない。
よって火力を増大させる蝋燭の芯を線香の束の中心に挿入したことに加え、マッチとマッチ箱の側面の赤燐を線香に付属させたことが特徴だと書かれている。
「光年」にマッチは付いていなかった。
購入した線香「光年」にはマッチや赤燐は付属していなかった。付いていたのは、蝋燭の芯だけである。
「マッチ一本火のつきやすい」とパッケージで謳っていても、マッチや赤燐が付属していなければ意味がない。
だけど、マッチは家にあったので自作してみた。
マッチの赤燐をハサミで切り取って、線香の帯に貼り付けて、マッチ棒を紙の帯に挿しただけだ。
たしかにこうしておけば、何も忘れ物をすることはないだろう。マッチ一本がもし風に煽られ消えてしまった場合のことを考えるとスペアのマッチもあった方が良いが、、、
「光年」にマッチ一本で本当に着火できるか?
「光年」にマッチ一本で着火して、動画を撮影してみた。燃え尽きるまで1時間ほどかかったので、途中早送りしているが、着火直後は束の周囲に火が付いて徐々に束の中心に火が移っていく様子がよくわかる。
今後の課題としては、「光年」と「こうねん」が果たして本当に同一商品でパッケージが違うだけなのかを確かめてみないといけない。
それから、発明協会奨励賞の受賞理由も知りたいところである。マッチと赤燐が線香に付属していることが、ポイントなのか?
それとも、蝋燭の芯が線香の束に挿さっていることがポイントなのか?
「こうねん」のパッケージにも発明協会奨励賞受賞と印字されているのだろうか?
*「こうねん」もその後購入して確認したところ、「光年」と「こうねん」はパッケージが異なるだけで、同一メーカーの商品だとわかった。
「光年」は贈答用として化粧箱入りで、「こうねん」はビニール袋入りで墓参用として販売されている。
「こうねん」と「光年」では線香の色と香りが若干異なるように感じたが、基本的な火のつけ方は同じである。
「新香光年」で商標登録されているが、読み方にも商標権は及ぶため同一の商標登録番号である。
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