各地を旅していると、さまざまな人の墓に立ち寄る。そんな時は拝むだけでもよいが、できれば線香をあげたいものだ。線香は100均ショップでも、コンビニでも売っている。
ただし、線香はバラ売りしていない。
線香1本とか、5本、10本という単位では線香を買うことはできないのだ。
ほとんどが束売りである。それも2束が一袋に入っているわけではない。
旅先で見つけた著名人の墓にふらっと立ち寄ることはあっても、そんなに続けざまに立ち寄るわけではない。
線香を1本あげただけでは、大量の線香を余らせてしまう。
家に持ち帰るという手もあるけど、だいたい線香は袋に入っていて、箱入りのものは少ない。
余った線香をカバンに入れておいても、家に帰ったら粉々にバキバキ折れていたなんていうこともある。
だから、線香は買った分全部燃やしたい。たまにしか来れない。いや一生来ないかもしれない場所なのだからたくさん線香をあげたいものだ。
そこで、問題になるのが線香の着火である。
もくじ
灯油とジッポのライターオイルで線香の点火を検証したが、、、
少量の灯油と、ジッポのライターオイルを線香の先端に少し染み込ませて着火する。という簡単な検証をしたことがある。
動画では右側がジッポのオイル、左側が灯油だ。
どちらも、燃えた。煌々と燃えた。しかし、これではダメである。
なぜなら線香は無炎燃焼でなければならないからだ。動画では有炎燃焼になってしまっている。というか、有炎燃焼と無炎燃焼を行ったり来たりしている。
有炎燃焼は炎がでる燃え方で、無炎燃焼は炎が出ず煙りがでる燃え方だ。
この推移に関しては論文も発表されている。かなり難しい問題らしい,
ただしこの論文は無炎から有炎への遷移である。自分がやろうとしてるのは、有炎から無炎への遷移だ。
無炎だろうと有炎だろうと、燃焼の三要素を満たしていることには変わらない。可燃物、酸素供給体、点火源、この三要素のバランスが問題なのだ。
線香の先にに灯油やライターオイルを染み込ませると、バッと炎があがる。次に線香に火がもえうつる。この流れで良いのだ。
問題は、無炎になったと思って見ていると、突然、炎があがることだ。
これはおそらく、線香の先端に染み込んだオイルや灯油が燃え切っていないことが原因だと推測。
火がついた後で、線香の下の方に向かってオイルや、灯油が染み込んでいく。
オイルや灯油から線香に火が燃え移り、いったん無炎燃焼後になった後、線香の先端からさらに下まで浸透したオイルにより、有炎燃焼に遷移し炎が上がってしまうのだ。
ポイントは線香に着火剤を染み込ませないこと
今まで使ってきた点火剤はすべて液体である。染み込むのは当たり前だ。そこで発見したのがゼリー状着火剤。株式会社ニチネンの「チャッカネン」だ。
原料はメチルアルコールと増粘剤。裏面には第二類引火性固体と表示されている。危険等級IIIである。
ジッポのライターオイルは危険等IIである。危険等級の数字があがるほど危険度は増すと言われるので、ジッポのオイルライターより安全性は高い。
そして、粘性の高い固体なので、簡単には染み込まないはずだ。
注意すべきことは燃焼時間は20gで10分となっていることだ。着火剤の燃焼は1分以内におさめたい。
使用は2グラムぐらいにしておけばよいだろう。
線香の束の先端に薄くチャッカネンを塗るだけで2グラムぐらいになる。
チャッカネン VS 着火剤付き線香
チャッカネンで線香の着火はバッチリだと思っていたところ、チャッカネンに意外なライバルが出現した。
その名も「着火剤付き線香」
線香の先端にマッチの火薬のようなものが付いていて、マッチと、同じように点火するのだそうだ。
100均でなくても売られている。ひっとしてこの着火剤付き線香は有名なものなのか?一般的に普及しているものなのだろうか?それを自分が知らなかっただけだろうか?
いずれにしても、チャッカネンと着火剤付の線香、どちらがうまく線香にきれいに均一に着火できるのか?検証せねばならなくなってきた。今週末にはまた燃焼試験の動画を撮ってみよう。
線香の着火剤も旅行アメニティーになりうるかもしれない。旅の最中には風の強い日もあるし、寒い日も、雨の日もある。どんな環境でも安定して線香の束に着火できれば便利だ。
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