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たった100円で古いガラス扉食器棚を修理!DIYで解決するステップバイステップガイド

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午後から来客があるとのことで、コーヒーを入れる準備をしようとした。ところが、コーヒーカップを置いていある食器棚のガラスの引き戸が開かない!困った。焦った。

実家に昔から、おそらく昭和の時代から実家にある昔風の食器棚である。食器棚にはいろいろな種類の食器が置かれているが、普段使うことはほとんどない。いつの間にか家具に異変が生じていたのだ。しかし、こういったトラブルこそ、DIYによる家具修理に着手するベストなタイミングだ。まずは問題を特定することからはじめよう。

問題の特定 なぜ引き戸が開かないのか?食器棚の構造上の問題?

外見的には問題はなさそうだが、開かないということは、家具の構造的な問題があるに違いない。

しかし、無理に引き戸をこじ開けるのは危険である。厚さ2ミリのガラス板が、上下のレールに挟まれているだけなので、無理な力を加えるとガラスは簡単にヒビが入ってしまう。

写真1:修理する前の食器棚の全景

上に載せたような古いレトロなアンティーク調な食器棚である。高さは2メートル、横幅は1.6メートル、奥行きは0.5メートルで、4段構造になっている。1番上が85cmの観音開きの扉が2組、その下、つまり上から2段目がガラスの引き戸が二組で高さは40cm、その下は引き出しと収納スペースで高さは75cmである。

今回開かなくなったのは中段の高さ40cmのガラスの引き戸である。中にはコーヒーカップが置かれている。ガラスを割らずになんとか取り出さなければならない。

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まず、引き戸が開かない原因は考えてみるまでもなく、ガラスの戸が乗って動いている上下のレールの間隔が狭くなっているからだ。

解決策の模索。まずは常套手段、シリコンスプレーをつかう。

そのほかには、レールにゴミが溜まっているとか、レールに傷がついたりして滑りが悪くなっていることも考えられる。そんなときは、シリコンスプレーをレールに噴霧するだけで解決することもある。レールを見たところゴミは溜まっていないようなので、シリコンスプレーをレールに噴射してみた。持ってなければホームセンターに買いにいくしかないので、時間がかかるが、家にあればそれを使ってすぐに試してみることは可能だ。

写真2:シリコンスプレーを引き戸のレールにスプレーしようとしているところ

このスプレーを一吹きして直るならこれが一番速くて、楽に直せるのだが、、、やはりシリコンスプレーの効果はまったくなかった。このスプレー自体の効果がないと言っているのではない。今回のケースでは効果がなかったというだけで、このスプレーで解消する事例も多数ある。シリコンスプレーは用途が広いので、DIYには必需品だ。

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ガラスの戸がレールに乗っている状態を考えてみると、ある程度レールの溝の深さに対して余裕があるようにセットされている。そうしないとガラス戸はスムースに動かないし、掃除や、ガラス戸にヒビが入って交換するときなど、ガラス戸を外すことができない。

上のレールには下のレールにはまっている深さよりも少し長い余裕があり、上に動かせるようになっている。上に動かせば、下部がレールから外れるので手前にずらしてガラス戸は外れる。

食器棚の作りを観察してみると、かなり、上が重そうに見える。

つまり、上段の重みにより、中段のレールが下に下がってしまった結果、上下のレールの間隔が狭くなり開かなくなったと判断できる。

原因はこれだ!まずは食器棚が歪んでないか、、じっくりと観察して、計測してみる

上段の食器の重みはかなり中段よりも重いのは見た通りだし、中段のガラスの引き戸は左右に分かれているが、そのどちらにもセンターに支柱はない。つまり、上から重さがかかった状態で長い時間が経過するとセンターが下に下がってくる。

写真3:接近して観察すると最上段の観音開きの扉の左右の高さがずれている

中段の上の観音開きの戸の位置関係を接写してみるとかなりずれていることがわかる。上段の食器の重みで下に板がたわんだ結果である。板にレールがはまっているから、レールも同じく下に向けてたわんだと言える。

上段の棚の底板が3ミリほど下方向にたわんだ結果、レールの上の余裕がなくなり、上下のレールにガラス戸がぴったりはまった状態になっている。ガラスの引き戸が動かない原因はこれだった!

このガラスの引き戸の上部のレールの下方向へのたわみが、3ミリ程度ならば、修正可能だと判断した。要は下から上に向かって押し上げて元の状態に戻せばいいのである。

食器の重さでたわんだ家具を元に戻すには、100均グッズで可能だった

もともと40センチあった上下のレールの間隔が3ミリ下がって、37.7センチになっているのなら、40センチの板を押し込めばもとに戻る。

修理材料の選定はまず近所の100均で、100均はDIYのアイデアの宝庫

この程度の簡易的な木材なら100均で売っている。DIY家具修理ならまずは近所の100均だ!急いで行って買ったのが次の木材である。

写真4:100均で購入した45cm×9cmの板

サイズは45センチ×9センチなので、必要な長さにカットする必要がある。カットはAmazonで買ったのこぎりで十分可能。こういう時のために基本的な工具は揃えておいたほうがいい。近所の100均でなんでも揃うわけでもないからだ。ドライバー、ニッパー、ペンチ、レンチ、のこぎり等、いざ必要となってから買いに行ったのでは大変だ。

近与(KONYO) 大五郎 鞘付剪定鋸 生木用 270mm
近与(KONYO) 大五郎 鞘付剪定鋸 生木用 270mm

材料が揃ったところで、何センチにかったしたらいいのか?これが正確にわからないと、材料を正確にカットできずに、なんどもやり直す結果となって材料を無駄にしてしまう。だから、正確に長さを図るための測定道具もそろえておきたい。

写真5:DIYに必要なさまざまな測定機器

測定機器にもいろいろある。今回のような上下のレールの間の間隔を図るためには、上の写真に載せたような測定道具だと正確には図りづらい。そこで、今回使用したのは、目盛り付きのテープであるマスキングテープである。

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写真6:食器棚のガラスの幅を目盛り付きマスキングテープで測定

このように、上下のレールの間の距離を正確に測るために、ガラスの引き戸が開く状態(正常な状態)になっているほうのガラスに貼り付けて距離を測る。物差しや定規では上下のフレームの間にピタッとはまらないので、少し誤差が生じてしまう。

適切な材料を調達したら、行うことはまず調整作業・カット

このように計測した結果、レールの間隔は上下で38.5cmだった。だからこの長さの木材を狭くなった右の引き戸の上下のレールの間に押し込めば、下がった上段のブロックが上に持ち上がる。そして、スムーズに引き戸が動く。

まずは、100均で購入した長さ45cmの板を38.5cmにカットすることがファーストステップとなる。

写真7:カットするラインにはあらかじめカッターナイフで線を引いておく

45cmの板を38.5cmにカットするのだから、そのカットラインを板に記しておく必要があるが、ペンや鉛筆で線を引くより、すこし頑丈なカッターナイフで線を引いておくと、のこぎりの刃が板に引っ掛かりやすくなる。のこぎりで板を切るときには、刃の引っ掛かりが重要である。最初に刃を外してしまうと後で補正するのは厳しい作業となる。カッターナイフなら大抵の家庭に常備されている。まずは板の上にカッターナイフで溝を作っておこう

カットした材料の設置方法

写真8:カットした木材を隙間にはめ込もうとしいるところ

上段の枠が食器の重みで下がっているため、微妙にはまらないのだが、この程度ならば押し込むことが可能は範囲である。逆に力を込めて押し込まないとうまく上にはあがってくれない。はめ込む木材の下の部分を押すときは、均等に力が加わるようにかまぼこ板のようなものを使って押すとうまく押し込める。

写真9:板を使って力を加えると均等に力がかかる

引き戸の上下のレールに挟んだ板をある程度の力(無理に強い力を加えてはいけない)で押し込んだ結果が以下の写真である。

写真10:板を押し込んだ結果、左右の扉の落差が解消された

結果的に、食器棚の上段の観音開きの扉の左右の高さのずれが解消された。作業前の写真と比べればその差は明らかである。

写真11:作業前の菅野開きの扉の高さは、明らかに落差があり、歪んでいる

食器棚のゆがみが解消されたら、引き戸はスムーズに動いたのか?

食器棚が食器の重みで下にひずんで、ガラスの引き戸の上と下のレールの幅が狭くなっていたことが原因なのだから、上のレールを押し上げて、ヒズミを解消すればガラスの引き戸はスムーズに動く。

写真12:ピタッとガラスの引き戸にはまった100均で買った板

さて、ぴったり板をはめ込んだ後は引き戸を開けてみるだけだ。この瞬間が一番楽しい。(とは言っても、これからコーヒーカップを取り出して、きれいに洗って、来客に備えなければならないのだから楽しんでいる余裕は実際にはないだが。)

写真13:作業完了。これで、コーヒーカップが取り出せる。

写真に映っているとおり、引き戸はスムーズに開くようになりコーヒーカップも無事に取り出すことができた。あとは、カップを念入りに洗い、コーヒーショップで引いてもらった豆でコーヒーを入れて来客を待つのみである。

結局、食器棚の修理にかかった費用はいくらだったのか?

自分でDIYの修理作業を行ったわけだが、いくら費用がかかったのか?

答え。110円

110円の内訳は、作業に使った引き戸の間隔を広げるための板一枚の値段である。

工賃はゼロ円。自分で行った作業だから当然だが、もし業者に依頼した場合1万円は超えていたはずである。しかも、今回のように午前中に食器棚の破損に気付いて、午後の来客用のコーヒーカップを取り出すために業者を呼ぶことは現実的には不可能だった。

コーヒーカップをどこかで急いで買ってくるか、無理に食器棚のガラスを割って取り出すか、どちらかしかない。食器棚のガラスを割ってしまった場合、ガラスは2ミリの厚さがあり、大きさが約40cm×40cmだからネットで注文しても4000円程度はかかる。それならコーヒーカップを買うほうがよい。

ただ、開かない扉をそのままにしておいたら、家具の歪みはますます大きくなる。強度的にも、地震対策などを考慮した場合、適切な強度を保てているとは言えない。

レトロ調家具の問題点とその解決方法

今回100均ショップのDIYグッズで補強修理した古い家具だが、近年はなかなか販売されなくなっているようである。やはりミニマリズムやSDGSの関係から、さらにコンパクトで収納性と利便性が高い食器棚が主流になりつつある。

たとえば中段はガラスの引き戸になっているアンティーク調、レトロ調家具は、現代では、中段のガラスの引き戸の部分がなくて、電子レンジや、炊飯器を置くスペースになっていることが多い。このように使えば、家具が仮にひずんだとしても、ガラスの引き戸があるわけではないので、電子レンジや炊飯器を置くことに支障はきたさない。

また、ガラス戸を使っていないから、割れることもなく、安全性も高い。

DIY修理のリスクと価値

一方レトロ、アンティーク調の昭和の家具は、ガラス戸の使用部分が多いので、破損の危険性や、家具の構造的ゆがみによる不具合が発生する恐れはあると見ておいたほうが逆に安全性が高い。そういう不具合が発生したときに、即座に修理できるのがDIYの強みである。コストや時間をミニマムに抑えて、維持管理、つまり、定期メンテナンスするというのも、ある意味ではミニマリズムだと言える。単純に古いものを捨てて、新しいものを買えばよいと考えるより、いかに古いものを生かしていくのかを工夫し、考え、そのための技術をみがくのもミニマリズムだ。

プロに依頼すればすべて良くなると考える人もいる。しかし、その前に自分でできることは何かないかと立ち止まって考えると意外に面白いアイデアが湧きだしたりする。そのアイデアを実行するのは自分自身しかいない。自分で思いついたことを自分で実現させる達成感をみなさんにも味わってもらいたい。

参考リンク

アンティーク家具を逆に購入してみたいという方もいると思うので、参考になりそうなリンクをあげておく。価格帯は決して安いとは言えないのかもしれないが、それだけに希少価値のある商品も多数取り揃えており、その多くは大量生産品ではないので普段からアンティーク家具に関心のある人はこまめにチェックしておくことをおすすめする。

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