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文京区と森鴎外:歴史ある土地の魅力とアクセス

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文京区ゆかりの小説家、詩人、歌人、評論家、随筆家などは、とても多い。

  • 有島武郎
  • 石川啄木
  • 江戸川乱歩
  • 川端康成
  • 北原白秋
  • 島崎藤村
  • 高村光太郎
  • 谷崎潤一郎
  • 永井荷風
  • 夏目漱石
  • 樋口一葉
  • 正岡子規
  • 森鴎外
  • 宮沢賢治

といったところだろうか。しかし、文京区に生まれ育った作家というと数は少ない。生まれは文京区ではないが、長く暮らして活動した小説家の代表が森鴎外だと思われる。文京区には森鴎外記念館があり、そこには素敵なカフェもある。コーヒーを飲みながら読書をするのには最適な環境だ。

森鴎外記念館一階のカフェ MORIKINE CAFE入口
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 文京区立森鴎外記念館(観潮楼跡)と文京区立本郷図書館

森鴎外ゆかりの地は文京区にいくつかあるが、森鴎外記念館(観潮楼跡)はその中でも代表的なものだ。

森鴎外(1862年2月17日-1922年7月9日)は観潮楼で『青年』『雁』『高瀬舟』など数々の名作を執筆したが、鴎外は、後に夏目漱石(1867年2月9日-1816年12月9日)が1903年(明治36年)から3年半住むことになった「猫の家」(東京都文京区向丘2-20-7 日本医科大学同窓会橘桜会館前に石碑あり)に1890年(明治23年)から1年ほど住んだ後、1892年(明治25年)に観潮楼に引っ越し、1922年(大正11年)に亡くなるまでここで過ごした。

本郷図書館の前身は、現在の文京区立第六中学校の場所(東京都文京区向丘1-2-15)にあった東京市立本郷簡易図書館である。
1910年(明治43 年)に同所に設置されたが、
1947年(昭和22年)市街地編成として小石川区と本郷区が合併し文京区誕生後、
1950年(昭和25年)管理運営が区に移管とな り、文京区立本郷図書館として再発足した。

文京区立森鴎外記念館
文京区立本郷図書館

1962年(昭和37年)観潮楼跡地に、「鷗外記念本郷図書館」として新装開設され、さらに、2006年(平成18年)観潮楼から徒歩3分ほどの現在の地(文京区千駄木3-2-6)に、図書館のみを移転した。
観潮楼跡地に「森鷗外記念館」が開設されたのは、2012年(平成24年)である。
本郷図書館、森鴎外記念館ともに、古い歴史があるのだが、建てられたのは比較的最近である。

1922年から1962年までの観潮楼跡地の歴史は?

1922年までは鴎外が住んでいた観潮楼だが、1962年に森鴎外記念図書館が建てられるまでの期間この土地はどのような経過を辿ったのだろうか?

観潮楼は鴎外の死後1922年(大正11年)以降しばらくの間、家族が住んでいた。森鴎外の前妻、登志子との子ども於菟(おと)は鴎外の死去した年に、欧州留学に出かけている(1922年3月)。よって父の臨終には立ち会えなかった。
観桜楼の離れに住んでいた於菟(おと)は1927年、ここを出て谷中に引っ越している。
鴎外の後妻の志げは、1936年4月(昭和11年)に亡くなっている。
その後借家となったのだが、1937(昭和12)年に失火により母屋の大部分が焼失した。
1945(昭和20)年には戦災により、胸像、銀杏の木、門の敷石、三人冗語の石以外すべてが焼けた。
1949(昭和24年)鴎外記念館準備会が発足し、1950(昭和25)年観潮楼跡は記念公園となった。
1951年(昭和26)年から1961年(昭和36年)までの期間、文化学院美術科講師だった鴎外の三男の森類が敷地の一角で書店「千朶書房(せんだしょぼう)」を営む。
1954(昭和29)年、鴎外の33回忌に胸像と「沙羅の木」の詩碑が設置される。
1962(昭和37)年、鴎外生誕100年を記念して「鴎外記念室」を併設した「文京区立鴎外記念本郷図書館」が開館。設計は東宮御所や帝国劇場の設計者として有名な昭和の建築家である谷口吉郎氏。

このように、鴎外の観潮楼は当時の建物は無くなってはいるが、形を変えて守り続けられてきたのである。
森鴎外ファンのみならず、ぜひとも訪れておきたい場所である。観潮楼の二階からは東京湾(品川湾)を臨むことができたという。地図で標高を調べてみると20.8メートルである。二階から眺めると、海抜25メートル位の高さになる。東京湾まで最短直線距離で約10kmだから、高層ビルがなかった当時には、遠望できたのだろう。鴎外は観潮楼から東京湾を遠くに見ながら、『高瀬舟』などの作品を書いたのだろうか。『高瀬舟』は歴史に借景した明治の現代小説との評価が高いが、鴎外の描いた高瀬川を下る舟は、もしかすると、東京湾へ流れ込んでいる川の借景なのかなどと自由に思い巡らすのも楽しいものである。

観潮楼のアクセスはどこが1番近い?

観潮楼へはBーぐるのバス停17番千駄木駅(団子坂下)からのアクセスでも、18番特養ホーム千駄木の郷からのアクセスでもほぼ等距離にある。
本郷図書館へはBーぐるの18番バス停特養ホーム千駄木の郷停留所が最も近い。
本郷図書館と観潮楼は団子坂上を挟んで100メートルほどの距離なので、台東区東西めぐりんの13番で降りても、文京区Bーぐるの千駄木・駒込ルートの17番千駄木駅(団子坂下)、18番特養ホーム千駄木の郷で降りても距離的には大差はない。しかし、めぐりんの13番千駄木駅バス停、Bーぐるの17番千駄木駅バス停で降りた場合、団子坂下交差点から団子坂上交差点まで登らねばならない。

団子坂にある案内板

 

文京区立森鴎外記念館(観潮楼跡)の見学の際には、ウェブサイトで休館日を確認しておくことが必要。基本的に休館日は毎月第4火曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)、年末年始(12月29日~1月3日)、及び展示替期間、燻蒸期間等となっている。しかし、年に何度か展示替えのために4日間から5日間ほど休館になることがある。
この期間には、一階に併設されている喫茶室「モリキネカフェ」も通常の休館日同様に閉店となる。

見学の後はMORIKINE CAFEで外の庭を眺めながら読書するのもいい
名所
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