東京都港区赤坂四丁目にあったすっぽん料亭「さくま」の閉店を知ったのは2016年の夏だった。
赤坂の丹後坂を上がって左折すると、すっぽんさくまがあった。
この道を毎日のように歩いていた。
そこを通るとすっぽんさくまがある。それが当たり前だと思っていた。
赤坂の三筋通りや一ツ木通りの喧騒から離れていて、とても静かな場所にあった。
「すっぽんさくま」の内部の様子は食べログよりも、Facebook に詳しく紹介されている。
周りにはマンションが建っており、戸建ての料亭さくまはマンションに挟まれたこのエリアでは貴重な戸建ての料亭だった。
残念だと思ったが、自分にできることは、写真や動画を撮影することしかできなかった。
赤坂 すっぽん さくま 在りし日の姿
すっぽんさくまは瓦屋根の二階建ての大きな料亭だった。まずは、屋根から撮影してみた。
上から見下ろすと、その大きさがわかる。複雑な形をした屋根だ。この中に個室が6部屋あったのだ。庭の見える部屋は最高だった。
表から見るとシンプルな形にも見える。この写真を撮ったときには、塀に工事予定の看板が貼られていた。
手前に写っているマンションは1977年(昭和52)に建てられ2017年で築40年になる。
「すっぽん さくま」はそれよりもっと以前建てられていたのではないだろうか?
もともと京都にある非常に長い歴史を持つすっぽん料理店「大市」の息子が戦前に新橋に店を出したのが、赤坂の「すっぽん さくま」の起源である。これが昭和10年代だろう。
そして新橋からこの赤坂の地に移ってきたのはおそらく昭和30年代なのではないか?すっぽんさくまの周囲の塀や建物の感じからそう推測される。
すっぽん さくまの解体工事後
すっぽん さくまの解体工事は直接見なかったが、解体が終わった後に、前を通って見た。
とても寂しかったが、これが現実である。すっぽんさくまに隠れて見えなかった赤坂Bizタワーが見える。
解体後は白い柵に囲まれて中は見えなかったが、すっぽんさくまの看板だけが何故だか残っていた。
現在ではマンションの建設工事も進み、bizタワーも見えなくなっている。
丹後坂から「すっぽん さくま」にかけて歩きながら動画も撮ったのでYouTubeにアップして公開している。
このように貴重な建物がなくなってしまったのは残念だし、なぜ閉店してしまったのか理由もわからない。
そんなことを思っているうちに、なんだか無性にすっぽんが食べたくなってきた。
動画を見ているとつい一年前のことなのに何故だかとても懐かしい。
また、どこかにすっぽん料理を食べに行ってみたいものだ。
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