墓参用線香、要するに把線香、束線香のことだが、特許データベースを検索するとかなりの件数がヒットする。
特許情報を検索するには、「特許情報プラットフォーム」を利用するのが便利だ。
ただし、キーワードを「線香」で検索するとヒット数が多すぎる。なんと1476件もヒット。これだと探しづらいので、キーワードを変えてみた。線香で有名な会社名と線香の組み合わせで検索することにした。
「日本香堂株式会社」は、創業が天正年間だというから、16世紀から400年以上にわたり線香文化を守り続けている老舗である。
「日本香堂線香、線香」
で検索すると12件に絞り込めた。検索結果は、
検索結果 12件の中で、特に気になったのが、以下の特許申請である。
5.特開2004-238324 墓参用線香並びにそれへの空気穴形成方法及びその装置
日本香堂の大源香は特許商品なのか?
特開2004-238324とあるが、特開とは、特許出願が公開されたということであり、特許をとったということではない。
なぜ「大源香」を見て、特開2004-238324「墓参用線香並びにそれへの空気穴形成方法及びその装置」にリンクしたかというと、線香把のトップの形状である。束の中心がくぼんでいるからだ。
これは理にかなっている。たくさん線香の束の燃焼を、見てきたが、かならず束の周囲の線香から火がつくからだ。中心部がくぼんでいれば空気が取り込まれやすくなり、火がつきやすい。
いったん線香束の周囲に火がつけば、徐々に中心なら向かって燃えていく。
線香束の先端がくぼんでいる上に、火力増大用に蝋が塗ってある。
これならばマッチ一本でも火が着くのではないか?
早速マッチで火をつけてみることにした。
マッチは風に弱いので一応ライターも用意して、検証に臨んだ。
火がつきやすいとは言っても線香の束を立てた状態では、流石に火は着かなそうだったので、線香束を逆さにして火をつけてみた。
結果的にマッチでは火が着かなくて、ライターを使うことになったが、思ったより短時間で火が着いた。
普通ならライターをワンクリックするだけでは、なかななかなか束線香に着火しないものである。
日本香堂の大源香は特許を取得しているのか?
特許情報プラットフォームに載っていても、特許取得に至っているのかを判断するにはもうワンステップ必要である。
まず特開2004-238324をクリックしてから、右上の左から2番目の「経過情報」をクリック。
すると以下の画面へ推移する。経過情報は以下の画像の通りである。
出願細項目記事の項目に、「査定種別(拒絶査定)」とある。
これは審査の結果、特許にはなっていないことを意味する。
理由はわからないが、特許申請をしたが審査に通っていないということである。
たしかに、日本香堂の「大源香」のパッケージの裏面を見ても特許の記載はない。
ただ、一つ重要なことが書かれている。
動画の中で、火が着いた線香を振って火を消そうとして消えない場面があるが、
注意書きの④に「炎を消すときはお線香の間にすき間ができないようにしっかりと握り、勢いよく垂直に下げますと消しやすくなります」とある。
炎は上に上がるから逆に勢いよく下に下げると一時的に真空状態に近くなり酸素供給が減るからだろう。
更に、「火のついたお線香を上下左右に振る、手で仰ぐ、吹き消す、などの行為をしますと、風の影響により炎が大きくなることがありますのでおやめください」とある。
まさに自分がやっていたことだ。火が着くのは良いが、消すことも線香の着火には大事だと気づいた。
注意書きをよく読むことは大切だと感じつつ、今後の参考にしたいと思った。
墓参用ならばビニール袋ではなく、ケースに入れると折れる心配もないが、線香ケースのようなものが販売されていれば旅行アメニティとして便利だ。
日本香堂株式会社は線香着火用の装置で特許を取得しているようだ。
発明の名称は「線香着火装置」だか、特許番号は3個ある。
特許情報プラットフォームの経過情報には、
6169368 (平29.7.7)
株式会社日本香堂
として掲載されている。
やはり、線香の着火は道具次第ということか?
線香単体で特許を取得している商品は無いのだろうか?
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