もくじ
■ はじめに
セリアの店内BGM(ジングル)は、以前から「何と言っているのか分からない」「歌詞が聞き取れない」という声が多い。
私自身も、半年ほど前に 「叶う my day(カナウ・マイデー)」 と空耳した経験があり、その内容を記事として書いたことがある。
ところが、その記事を書いてから半年以上が経過したある日、
まさに“何も意識していないタイミング”で、私はまったく別のフレーズとして聞こえる瞬間に遭遇した。
■ 実体験:半年ぶりのセリアで突然「night and day」が聞こえた
セリアの歌詞の記事を書いてから、半年以上が経ったある日のこと。
私はシャープペンの 0.3ミリの芯 を買おうと、いつものセリアの店内に入った。
文具棚を見ても、目的の芯がなかなか見つからない。(結局0.3ミリの芯は売ってなかった)
「この店には置いていないのかもしれない。横断歩道を渡って、向かいのDAISOに行くしかないか…」
そう思ったが、横断歩道を渡るのが少し面倒で、しばらくセリアの棚を探し続けていた。
店内をゆっくり歩きながら文具の棚を眺めていた、その時だった。
ふいに、店内スピーカーの方向から、
“night and day”
というフレーズが、はっきりと耳に飛び込んできたのだ。0.3ミリの芯のことは頭から消えてしまった。
半年以上前、あれほど「叶う my day」としか聞こえなかった部分が、
まったく別の言葉として聞こえてくる。
私は思わず棚の前で立ち止まり、耳を澄ませた。
その日は音声の輪郭がいつもより明瞭で、続く部分は
“color your days”
とも聞き取れる瞬間があった。
“あのジングル”が、こんなふうに聞こえるとは思ってもみなかった。
そしてここから、「空耳は本当に変化する」という事実について、あらためて考えさせられることになる。早速近くのドトールへ駈け込んでコーヒーを飲み、ジャーマンドッグを食べながらその理由についてまとめてみた。

■ 1. なぜ最初は「叶う my day」に聞こえたのか?
● 1-1. 日本語の語感に引っ張られる
「カナウ・マイデー」は日本語に近い母音配置を持つため、
脳が“意味のある語”に補正してしまいやすい。
曖昧な音は 既知の語彙に置き換えられる のが人間の脳の仕組みだ。
● 1-2. セリア店内の音響環境
セリアは店舗によって反響が強く、
子音が弱まることがしばしばある。
そのため、実際の英語の音声の輪郭が曖昧になり、
脳の側で“補間”が起きる。
これが最初の空耳(my day)を作り上げた要因である。
■ 2. なぜ半年後に「night and day」と聞こえたのか?
これは単なる偶然ではない。
実は、人間の音声認知には“時間をおいて突然聞こえるようになる”という特性がある。
以下のような科学的理由が重なっている。
■ 3. 空耳が“忘れた頃に突然聞き取れる”5つのメカニズム
● 3-1. 予測符号化のリセット(Predictive Coding)
人間の脳は「こう聞こえるはずだ」という予測を先に作る。
半年という時間が空くと、この予測が弱まり、
脳が 音をニュートラルに再解析 するようになる。
結果、以前とはまったく違う語として聞こえることが起きる。
● 3-2. 潜在学習(Implicit Learning)
一度聞いた音声は、無意識のうちに脳内でパターン化される。
語学でも「数ヶ月ぶりに聞いたら急に分かる」現象と同じだ。
● 3-3. 店内音響の偶然の条件
- スピーカーの真正面にいた
- 周囲が静かだった
- 子音が聞こえやすい反響状態だった
といった“音響の偶然”が重なった可能性が高い。
その結果、「night」「and」「day」の境界が明瞭になったと考えられる。
● 3-4. “意味が通る語”が優先される(semantic dominance)
「night and day」は英語として意味が明確で、
広告コピーのような自然なフレーズでもある。
対して「叶うmy day」は語として曖昧。
脳は 意味の強い解釈を優先 するため、
時間が経つとより自然な英語に置き換えられた。
● 3-5. 語の境界(speech segmentation)の変化
半年前には“音の塊”でしかなかったジングルが、
この日は語の境界が見えるようになった。
これにより night / and / day と分割して聞こえた。
■ 4. 「Night and day, color your days」の意味
私の耳には
Night and day, color your days
と聞こえた瞬間があった。
これは英語として自然で、
昼夜を問わず、あなたの日々を彩る
という意味になる。
店内BGMとしては十分あり得るニュアンスだ。
■ 5. 空耳は“固定されず変化する”という事実
今回の経験からわかったのは、
空耳は一度きりではなく 時間と状況によって変化する ということだ。
- 音響条件
- 心理状態
- 脳の予測モデル
- 過去の学習
- 語の意味処理
これらが組み合わさることで、
半年間の“空白”を経て、私はまったく別の言葉を聞き取った。
■ まとめ
セリアの店内BGMは、音の輪郭が曖昧なため、
空耳や聞き取りづらさが生まれやすい。
そして、今回のように
「忘れた頃に突然、別の言葉として聞こえる」
という現象は、人間の音声認知において珍しくない。
私の場合は、半年ぶりのセリアで
「叶う my day」から
「night and day」へと、聞こえ方が変化した。
あなたには、どのように聞こえているだろうか。
久しぶりにセリアに立ち寄れば、また違う歌詞が聞こえてくるかもしれない。そのためには、一旦空耳のことは忘れて、記憶をリセットする必要がある。

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